個人でブログサイトを作ろうと思ったとき、どうやって作ったらいいか迷ってしまうことが多いと思います。
この記事では、様々なブログを渡り歩いてきた自分が、ブログの始め方を改めて考えていきます!
比較するにあたっての前提
まずは比較するにあたっての前提を書いておきます。
- あくまでも副業としての個人ブログを想定
- 独自ドメインを利用
- Google Adsenseを利用
- テーマのカスタマイズをそこそこやる
個人用ブログサイトの選択肢
早速結論から言いますと、個人がブログを始めようとするときには以下の選択肢が考えられます。
- ブログサービスを利用する
- CMSを利用する
- 静的サイトジェネレータを利用する
これらを比較するにあたって、コスト・手軽さ・自由度に着目して◯△×で評価して表にしてみた結果が以下です。
始め方 | コスト | 手軽さ | 自由度 |
---|---|---|---|
①ブログサービス | △ | ○ | × |
②CMS | × | △ | ○ |
③静的サイトジェネレータ | ○ | × | △ |
以下に一つ一つ深掘りして解説していきます。
①ブログサービスを利用する
まずは、既存のブログサービスを利用することが考えられます。
日本では、「はてなブログ」や「アメブロ」や「Blogger」などがメジャーですね。
- ◎簡単、お手軽
- ○コスト低め
- ○コミュニケーション要素がある
- ×自由度が低い
- ×コンテンツがロックインされる
メリット
ブログサービスの利用のメリットとしましては、何と言ってもお手軽な点が挙げられますね。
導入の手間も無いし、セキュリティ管理も会社に任せることが可能なため、初心者でも安心してブログ運営が可能となっています。
また、「Blogger」であれば無料で独自ドメインも利用でき、それでいて運営側の広告が出ないので独自ドメインのみの出費でブログ運営が可能です。独自ドメインを使わないなら出費は0円です。
「はてなブログ」であればスターや読者登録など、コミュニケーションの要素が完備されています。それによってSNSのような使い方をすることも可能となっており、SEOに頼らずに集客をすることもできるっていうのは大きなメリットかもしれませんね。
デメリット
デメリットとしては、何かと自由度が低いってことですね。例えばブログのデザイン上の制約も多かったりしますし、機能を拡張しようにも一苦労っていうことも。
あとはブログを別のサービスに引っ越ししたいと考えた時に、ブログサービスを利用していると、記事を移すのがなかなか大変だったりすることがあります。なぜかというと、それぞれのサービスごとに独自の形式で記事を管理していたり、独自の記法があったりしていて、単純にエクスポート/インポート機能を使ってもうまく引っ越しができないことが多いからですね(何度も経験済み)。
はてなブログの特徴
まずは、人気ブログサービスのはてなブログから。基本は無料ですが、有料のProに登録するとより良い条件でブログが運営できます。無料プランと比較したときの主なProの特徴を抜粋してみました。
- 600円~1,008円/月(税込)
- 1アカウントで10個までブログ作成可能
- 広告なし
- 独自ドメイン対応
- キーワード自動リンクオフ
自分も初めは無料プランで始めましたが、広告が勝手に表示されることと記事中のキーワードが勝手にリンクされてしまうのが嫌でした。あとは独自ドメインを使いたかったですし。なのですぐにProを契約しました。
んで、実際にはてなブログProを使ってみての感じたメリットは以下です。
- SEO対策がちゃんとされてる&内部のコミュニティが充実しており、開設初期なのに結構見に来てくれる人が多い
- スターとかではてなブロガー同士の交流が簡単にできる
- セキュリティ対策やSEO対策を意識する必要がないので、記事を書くのに専念できる
- Markdown対応
一方、デメリットはこんな感じです。
- やっぱProは月額が高い…
- デザインとか機能とかの制限がやっぱ多い
- 独自ドメインなのにサブドメインを強制されるのが嫌(wwwとかを付けなきゃいけない)
やはり噂通り、はてなブログは集客がしやすいと感じました。「バズる」のを狙うならここだと思います。
また、初期の集客の有無は続けるモチベーションにも関わる大事な要素です。たとえ更新を頑張っていたとしても、見てくれる人がいないのではやる気が無くなってしまいますもんね。
あとは記事を書くのに専念できるところがすごく良いですね。WordPressのようにサーバー上のファイルを直接いじったり、DB(データベース)をメンテナンスしたり等をしなくていいのは時間の節約になっていいと思います。個人的にはMarkdownに対応してるのがありがたかったりします。
Bloggerの特徴
BloggerはあのGoogleの運営するブログサービスです。ここは有料プランはなく、無料プランのみとなっています。
実際にBloggerを使ってみてのメリットは以下の通りです。
- 無料なのになんと広告なし
- 無料なのになんと独自ドメイン可能
- SSL対応(独自ドメインでもOK)
一方、デメリットはこんな感じです。
- はてなブログと同様、独自ドメインにwwwが強制的につく
- 独自テーマ作ろうとするも情報の少なさに断念
- 純正のテーマがあまり充実してない
- Googleのサービス同士なのになぜかAdsenseとの連携がいまいち
- Markdown非対応
なんかデメリットばかりつらつらと挙げてしまいましたが、コストがかからないというのがBloggerの最大のメリットだと思います。無料で広告なし&独自ドメイン可能なところなんてそんなにないはずなのに、なんであまり流行っていないのか謎です。
ただ、レイアウトをカスタマイズしようとするとネットに情報が少ないせいでかなり苦労するかもしれません。Googleによくあることですが、公式のヘルプがとにかく分かりにくいんですよね。自分の場合は独自テーマを作ろうとするも断念し、最終的には仕方なく公式のテーマを使ってました…
Googleの「Blogger」はかなりいいブログサービスなんだけど、個人的には記事のURLに、
/2019/07/aaa.html
こんな感じで強制的に年月が含まれるっていうただ一点だけが不満です。含まれないのを選べるようにならんかなぁ。
— シク (@498ck) July 29, 2019
②CMSを利用する
CMSとは、日本語にするとコンテンツ管理システムのことで、日本ではWordPressが一番メジャーとなっていますね。
- ○自由度が高め
- ○WordPressであれば情報が多い
- ×レンタルサーバーが必要
- ×セキュリティ対策が必要で面倒
メリット
ブログのCMSと言ったらWordPress一択みたいになっていますが、メリットとしてはネットに情報が多いことが挙げられますね。
テーマも有料・無料共に豊富にあるのでデザインの選択肢が多いですし、プラグインも多数開発されているので機能追加も簡単に実施できます。
プログラミング言語であるPHPを覚えればプラグインを自作することもできますしね。
デメリット
デメリットとしてはPHPやMySQLを動かすためのサーバーが必須であるということですね。こういったミドルウェアを動かすレンタルサーバーは有料になってしまうことがほとんどで、毎月のコストがかかってしまいます。
あとは色んな更新が面倒ってことが挙げられます。PHPの更新、WordPress本体の更新、テーマの更新、プラグインの更新などが面倒だなぁと感じることが結構ありますね。WordPressは更新を怠るとサイト乗っ取りなどのセキュリティ上の不安もあるんですよね。
WordPressの特徴
WordPressは今更説明するまでもないですが、シェアが圧倒的1位となっているCMS(コンテンツ管理システム)です。
プログラム言語はPHPで、オープンソースなのでこれ自体は個人/商用問わず無料で利用できます。ですが、ブログを公開するにはこれを動かすサーバーを用意する必要があります。
実際にWordPressを利用してみてのメリットは以下の通り。
- 無料有料問わず、テーマが豊富
- プラグインも豊富
- レイアウトとか機能の自由度がすごく高い
- 使ってる人がとても多いのでネットに情報がいっぱいある
- レンタルサーバー代がいるけど、基本的にはてなブログproよりは安く済む
- サブドメインを設定しなくていいのでURLが短くて済む
一方、デメリットは以下の通りです。
- レンタルサーバーを借りたりWordPressを設置したりと、ブログ開設までが面倒くさい
- 開設してからも自由度が高いゆえに色んな設定が面倒くさい
- 集客は検索流入頼り
- セキュリティも考えないといけない
最終的には自分はWordPressに落ち着きました。プログラマ的な目線で言うと、商用にも使えるのでWordPressに詳しくなっておけば本職に役立ちそうだなぁと。PHPの勉強にもなりますしね。
自分は結局は自由度を取る形となりました。どうしてもはてなブログやBloggerではできないことはあります。
それとURLのシンプルさがやっぱり最高!「www」なんて不要です。
それと、テーマを自作してみて分かったのですが、意外とWordPressの仕組みはシンプルです。むしろBloggerのほうが複雑なんじゃないかと。
始めたてのころは、WordPressの集客は本当に皆無ですね。色々なところでよく「陸の孤島」なんて比喩されていますがまさにその通り。なのでSNSをうまく利用していきたいところです。
③静的サイトジェネレータを利用する
静的サイトジェネレータの例としてはGatsby、Hugo、Jekyllとかが挙げられます。ホスティングサービスとしては、Netlify、Firebase、GitHub Pagesなどがありますね。
- ◎自由度がかなり高い
- ◎コストがかからない
- ○安全
- ○表示が速い
- ×技術力が必要
- ×日本語の情報が少ない
メリット
メリットとしては、自由度が高いことが挙げられます。自分の扱える言語に合わせて好きなジェネレータを選べますし、ホスティングサービスも選択肢が豊富です。コンテンツの在り方も自由で、GitHubでMarkdown形式で格納しておくのもあり、コンテンツ管理だけWordPressを使うのもあり、普通にDBを使うのもありですね。
また、静的なサイトなので、あまり大量のアクセスがない個人ブログであれば無料でホスティングサービスを利用できるっていうのもメリットと言えます。独自ドメインを使うなら流石にドメイン代は掛かりますが、WordPressのようにプログラムを動かせるサーバを必要としないっていうのはでかいですね。
あとは静的サイトなのでログイン画面をネット上に晒す必要がなく、安全だというのもメリットですよね。おまけにサーバ処理やDBアクセスを必要としないので表示が爆速になるっていうのも大きなメリットで、SEOにも関わってくる重要な要素です。
デメリット
デメリットとしましては、やはりある程度の知識が必要となってくる点が挙げられそうです。まぁ、例えばGatsbyの場合は公式でブログ用のスターターが用意されているので、ブログを開設すること自体は意外と簡単かもしれませんが、カスタマイズをしようとするとやはり知識が必要です。
しかも、どのジェネレータもまだ日本語の情報が少ないので、英語ができない場合は勉強をするのもなかなか大変です。
静的サイトなので、サーバとのやり取りが必要な問い合わせフォームやコメント欄などの機能が使えないのではないか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、そこはGoogle FormsやDisqusなどのサービスを利用すれば設置が可能です。
終わりに
結論としては、以下のような感じでしょうか。
- お手軽かつ低コストで始めるならBlogger
- お手軽かつ集客重視で始めるならはてなブログ
- 自由度を重視するならWordPress
- とにかく低コストで始めるなら静的サイトジェネレータ
個人的には、基本的には利用者が多いWordPressで始めるのが安定かなぁと思います。一方、Webエンジニアになりたい人であれば勉強&ポートフォリオ作成がてら静的サイトジェネレータで始めてみるのもありかと思います。
ちなみに、ブログサービス間の引っ越しは結構大変です。例えばパーマリンクの違いとか画像の移動とか設定とかとか。なのでブログを始める前にどのサービスを選ぶかを良く吟味することをお勧めします。
昔には他にもLivedoorブログ、FC2ブログ、忍者ブログ、ヤプログなども利用していたことがあったけど詳細は忘れたので割愛します。